『アサ活!から旅立っていった若者たち』※急
人材開発シリーズ 序・破・急 の最終回『急』は、朝活勉強会の実際と効果の検証です。
20代限定の若手を起用した帝王学を意識した勉強会だった朝活の朝食・勉強会。10年経った今、メンバーの成長度合いを検証することもできます。
彼ら彼女らはどのようにして何を学び、10年経った今いかに変貌を遂げたでしょうか。
パンとコーヒーと見知らぬ大物
朝食会でもある朝活勉強会。開催時間を7時半から9時10分までの100分間に設定、当日は8時半の始業時間から1時間の休暇取得(公務員は時間単位で有給休暇の取得が可能)を奨励しました。家を早く出てもらうことから、どうしても勉強会の場で食事を取ることにこだわった末の1時間休暇の選択です。
しかし、7時半から食事提供可能な店舗はなかなか見つかりませんでした。勉強会には静けさも必要ですし、場所探しは苦労の連続。最終的に、メモを取りながら片手で食べることのできるベーカリーレストランを見つけて月に一度の10人以上朝食会の予約を約束、協力を取り付けました。(2011年当時情報)
ゲストスピーカー候補の皆さんには、話を伺いながら食事を取る異例のスタイルという前提で交渉しました。全員から No Problem とお返事をいただき実現したものの、大企業の取締役が話しているのに、公務員の若造が口をもぐもぐしながら聞いているという奇妙な光景が出現。しかし、これがかえってかしこまった雰囲気を和らげ、互いに人柄が見える思わぬ波及効果を生みました。
来てくださった講師役の皆さんからは、「久しぶりに若い人たちと同じ空間で意見交換できた。楽しかった。」と感謝の発言が相次ぎます。おそらくですが、各社で特別な地位にある方達ですから、若手社員との平場の付き合いから遠ざかって久しいのでしょう。まさか、久々の相手が公務員になるとは、思ってもみなかったに違いありません。
学びのあれこれ
2011年4月、月一回の朝活として朝食会・勉強会の本格的開催にこぎつけました。
各回のテーマは、勉強会の趣旨を説明して自由に設定していただきます。講師料は払わない前提で、朝食代だけ講師分をメンバー全員で負担する会費制で運営しました。
「成人の学びとは何か」「東日本大震災後、私のミッション」「セカンドキャリア当然の時代」「人をもてなすということ」「都心という器が人に果たす役割」など多様なテーマで、どの回も日常生活では出会えない皆さんからお話を伺うスペシャルな場となりました。
一例をご紹介します。劇団主宰者が「公務員という仕事を演じる」をテーマに行った朝活では、演技に関する講義の後、演技の稽古をつけられました。指名された者が順々に、講師から与えられた『状況を示す三つの言葉』を使わずに、メンバーの前で即興でセリフを話し、状況を想像させる演技をさせられます。衆人の中で演じ、演者の動じない態度と観客側の観察眼を磨く演技指導の手法だそうです。離れた席の客や厨房からも注目されて、エキサイティングな指導でした。
講師役をお務め戴いた方々からは、官民の相違や、だからこそ官業に期待することなど、公務を継続する上で背中を押される貴重な話をたくさんいただきました。主宰者としても、若いメンバーに公務員を続ける動機づけを行えたという満足感を覚えて、2012年10月最終回をもって約一年半の活動を終了しました。
その後のメンバーたち
ファーストイレブン(初回参集の11名)とその後に加わった4名の総勢15名(女性8名、男性7名)はその後どうなったか。
朝活を終えてから10年目を迎え、途中退職を余儀なくされた1名を除き転職した者はなく、ほぼ全員が係長以上となって活躍していることがわかっています。
管理職となった者、管理職試験に合格した者もいて、メンバーだった皆んなが各職場でリーダー的な存在になっていました。
離職も転職も選択せず、それぞれの配属先で中心となって活躍している姿を確認できたことは、主宰者として嬉しい検証結果です。
この勉強会を行政評価で利用する成果指標で測れば、かなり高い評価を得ることでしょう。10年後ではありますが…。
思えば、人材流出の危機感を発端として、目的と目標を明確化した上で、メンバー人選、講師の交渉要請、食事会を念頭にした時間と場所の設定…
順を追って周到に準備したことがこの朝活の朝食・勉強会の成功につながったと感じます。
パートナシップ・コンサルタンツはこうした経験を踏まえ、各法人さまの人材開発への取り組みに対しても助言、提案を行います。
若手の育成に限らず、講師のご紹介も含め、ご希望に添って効果的なノウハウを提供させていただきます。
人材開発の成功のコツは、人材が熱いうちに打つこと!
人材開発に迷ったときは、どうぞご相談ください!