『公務員って謝礼受け取る?』 〜官業シリーズ ②
自治体や公務について、見たい聞きたい知りたい皆さまに、参考となる情報をお届けするっ!官業シリーズ第2回‼️
今回は、企業が公務員に何かを依頼したとき、報酬を渡すことは違法か⁉️ 受け取るのか⁉️ それはどうしてなのか⁉️
公務員を講演会の講師に招く場合を例にしながら、公務とは一体なんなのか考察していきます。
『お主も悪よのぅ・・・』
これは、時代劇で、お代官様が、何らかの配慮をしたその見返りとして、廻船問屋の越後屋から報酬を渡された時の言葉です。
「お主も」と言うからには、お代官様ったら、自分も悪であることを自覚しているのでしょう。
渡しちゃならないカネを渡す。もらっちゃならないカネを受け取る。越後屋が企業、代官が公務員でしょう。
もちろん現代社会でもこれはNGで、ときおりニュースで見かけることがあります。
公共工事の入札で発注金額を事前に知らせたり、その企業に決まるように便宜を図った見返りに、現金を受け取った、車を要求した、飲食やゴルフの接待を受けたなどなど。
法律で禁じられているこれらの贈収賄の行為に関係した公務員は、職を失い、刑罰を課され、氏名を公表されるという厳しい制裁が待っている。
会社側も贈賄の罪に問われ、同じような目に遭います。それを知っているだけに、社員が公務の世界に近づくことを警戒する企業も多いように思います。
でも、越後屋は何かを代官にお願いしたのです。願いを叶えたからには、報酬は貰わなくっちゃ。それが経済原理ってもんでしょ?
では、お代官様や公共工事の公務員への袖の下は、どうしてご法度になるのでしょうか。
公務のロジック
公務員が、特定の人や団体に貢献する仕事をしたのに、金品を受け取ってはならないのはなぜでしょうか。
それには、次の三つのロジックがあるのです。全体の奉仕者、職務専念義務、そして兼業の禁止です。
特定の人や団体のために公務員は働いていません。これを『全体の奉仕者』と言います。
全体の奉仕者である公務員には法律で職務専念義務という強い行動規制が課されています。
『職務専念義務』とは読んで字の如し、自治体に勤めて公務を仕事としたからには、その職務だけに専念すべきことを指します。
そのため『兼業禁止』が原則、つまり他の仕事をすることは原則的に禁じられています。
これら3つのロジックは、会社の就業規則や社内規範のレベルではなく、国家公務員法、地方公務員法という国会で議決された法律で定められています。全国の公務員は全て、この制約の中で公務を担わなければなりません。
しかし、定められた正式な手続き、つまり兼業許可の手続きを踏めば、公務員が企業から報酬を受け取ることができます。具体的な例で見ていきましょう。
公正・平等が問われる公務
特定の仕事に関して兼業が許可される仕組みは、次のようなものです。
「禁止」を解除することを法律上「許可」と言いますが、特定の場合に限り、この兼業を禁止されている状態を解除してもらえます。これが兼業許可で、公務以外に業として金銭を受け取ることが可能になります。
例えば、企業から、感染症リスクと予防に関して社員研修の講師を公務員の医師や保健師が依頼されるような場合。
自治体の医療職は、病院の医師でも知らないような公衆衛生の視点から、専門的に予防医学的な話ができます。
社会に貢献する活動として企業研修の講師となる兼業は許可されるでしょう。
こうして、研修の講師料という範囲に限定して企業からのの報酬を受け取ることができます。
あくまでも許可は、「公務という本職に影響を生じない」、「公務に関連して利害関係を生じない」、「公務に対する信頼を損なわない」ことが、判断基準です。
このほかにも、副業が認められる例外として、一定額以下の不動産投資、株式投資、執筆活動、家業の手伝いなどがあり、最近は、政府の働き方改革の流れから、NPOや公益性の高い地域活動で収入を得る場合などの副業が認められつつあります。
しかし、どんなに社会情勢が変化しても、特定の利害に左右されないからこそ公務は信用され、平等のスタンスが評価されるのです。
敢えて表すなら 『融通が効かない公務員』 公務の本質です
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ブログ更新ご無沙汰です。私は元気です!
代表 安 田 雅 俊