組織経営セミナー①できる人事は内示上手
「人事と書いて『ヒトゴト』と読むんだぜ」と、先輩から教わった時代を思い返しつつ、お久しぶりです。
2024年のスタートはWebセミナーで始動。組織経営について論じていきます。
大規模、小規模を問わず、どんな組織に従事する人にとっても組織経営を知ることは大切です❗️
地方自治体の組織・人事事情にも触れていきます。官業とお付き合いされる方々は必見です‼️
それでは、PSCオンラインセミナー組織経営、第1回『人事異動内示』を開講します。
内示の季節
市区町村の多くでは、ほとんどの人事異動が4月1日付で行われます。そして、スムーズに仕事の引き継ぎが行われるように、3月の中頃くらいまでに行き先を公式にリークする慣わしがどこの自治体でも行われています。
この人事情報を個人へ公式にリークするルールが公務員人事の「内示」。もちろん民間にもありますよね。
先週、かつての某職場から、4月1日付人事異動の内示情報が寄せられました。どうして社外の私に、いち早く情報が来るかといえば⋯まぁ、それはいいとして、ともかく情報がもたらされました。
私も、まだまだ知り合いが多いので、それらの情報を伺いながら、この人はまだ昇格できないのか⋯えっ!この人がこんなところに配属⁉︎ などなど。
それら情報は、今の私にとってまさに『ヒトゴト』。でも、いろいろ思い起こされることがあります。
上司たるものの配慮
官民を問わず、内示を伝える上司としてまずは、部下の感情に配慮することを忘れてはなりません。
自分自身が想定外の内示を受けてガッカリし「それどころじゃねえや」⋯ なんてこともあります。でも、部下もちですから私情は禁物。冷静に公平にきちんと部下に内示しましょう。
そのとき、ケアしなければならない部下の感情があります。
一つは、思いどおりの職場に道がひらけた人と、思いがけずに抜擢された人の達成感と有頂天。
もう一つは、期待に反する行き先を示された人、あるいは何も示されなかった人の落胆と絶望。
こうなると、もうほとんど全部がケア対象。メンタル弱めな現代社会を背景に、組織人はどう行動すべきでしょうか?
内示=『判決言い渡し』
内示を待つ気分というのは独特なもの。組織を経験した人には、期待と不安に押しつぶされそうな気持ちがおわかりのことと思います。
上司にとっての相手は、「こんどこそ」と期待に胸膨らませ、不安に震える部下たち。そんな心もちの部下に内示するのですから、伝える側には心構えと準備が必要です。
上司が一番してはならないこと。それは、「私のせいじゃない」「理由や意味などわからない」と、ひとごとのようにただ言い渡すだけの『責任回避的・通告型内示』です。
視点を変えてみましょう。組織人にとって、人事異動の内示は判決の言い渡しと同じです。裁判の場合、量刑だけ申し渡して理由を示さない判決などありえません。
創発内示でスタートダッシュ!
いちいち、異動内示の理由など示してくれないのが人事部門。
そこで、仕事のできる上司は、新しい職場が部下に期待している能力は⋯ という観点から、人事異動の理由に思いをはせ、想像します。
部下の胸に落ちるように、でも部下のパフォーマンスは落とさないように、言葉を駆使し心を込めて伝えます。これが『能力開発的・創発型内示』です。
舞い上がり傾向の部下には、平常心を取り戻させ、計画的な行動を誘発するように
打ちひしがれ傾向の部下には、前向きな評価を与え、能力発揮の未来を思い描かせるように
上手く内示ができてこそ、組織のリーダーと言える
人事異動内示の季節に、こうした配慮がされた職場には、4月1日のスタートをお互い気持ちよく迎える雰囲気があふれていることでしょう。