組織経営セミナー④できる組織人は痛めない

メンバー間に話し合える人間関係は?

企業、団体、法人、官公庁の別を問わず、あらゆる組織の最も重要な役割は、『決め事を実行すること』です。

組織内では、その成果を急ぐあまりに、ときとして、メンバー間で人格を否定する言葉を発したり、話し合いや説得を拒絶する態度を取るなど、人間関係にトラブルが発生することがあります。

今回のセミナーでは、上司、部下、同僚の別なく、組織人の人間関係から生じる精神的な加害と被害の問題について学んでいきます。

組織の心は痛まない

鋼の心臓‼️
その昔 心は心臓にあると考えられていた

まず、組織の心について。「組織は心が痛むことはない」とは、はて、どういう意味でしょうか。

本部、局、部、ユニット、課、グループ、係、班、チーム⋯こういった階層的構造を一般的に組織といいます。

組織は人間社会を保つために生まれた社会システムです。組織が急に停止したり、休むようなことがあってはなりません。

部の方針が、課全体の目標とすれ違うものだったとしても、組織自体が、それを悲しいとか、落ち込むとか、腹が立つというような情緒的心理状態から、機能停止することはありませんよね。

当然ですが、組織には痛むべき『心』がないからです。

組織で仕事を進めるメリットはそこにあります。もしも組織に心臓があったとしても、それは微動だにしない『鋼の心臓』でしょう。

人なればこそ痛む

なんか気分が乗らないなあ⋯

さて、組織は人によって構成され、組織人は人であるがゆえに、一人ひとりが喜怒哀楽の感情を抱えながら、日々の仕事に取り組んでいます。

仕事にやりがいを感じたり、成果が上がれば嬉しい気持ちを爆発させることもあれば、嫌気がさしたり、怒りを感じたり、無力感にさいなまれることもあります。

その結果、パフォーマンスが落ち、突然休暇を取ったりするのです。心を病んでしまったり、急に退職してしまうこともあるでしょう。

組織人は、誰もが『心』に支配されながら活動している。

だからこそ、私たちは、お互いにメンバーの心理状態に気を配る必要があるのです。

やっかいな上下関係

おいー わかってんのかぁー❗️
叫んでいるのはだぁれ?

この画像をご覧になって、メガホンで叫んでいるのは、組織の中の誰だと思いますか?上司でしょうか、部下でしょうか?

答えは『あらゆる人』です。

メガホンの人を上司と思ったあなた。日ごろ、部長や課長からこまごま指示を受けて困っていませんか?

メガホンの人を部下だと思ったあなた。部下が言うことを聞かなくて困っていませんか?

メガホンの人を同僚だと思ったあなた。チームスタッフとうまくいかなかったり、無視されたりしていないでしょうか?

さて、組織の中では、メンバーどうしが、互いに心のベクトルの影響を受けながら活動します。そのとき、組織人の心に大きな影響を与えるのは人間関係です。とりわけ、上司と部下の関係は、双方に大きな影響を及ぼし合います

これは上司の高気圧?部下の寒冷前線?
組織の中に吹く『心のベクトル』という風

すべての組織には、「誰が最終的に決定し、誰が支え、誰が実行するか」という役割分担が存在します。その結果、メンバー間には「誰が優先するか」という権限の上下関係が生まれていきます。

この上下関係。時として、トラブルにつながることがあることはご承知のとおりです。その最たる例が、上司が部下に対して行うパワーハラスメントでした。

ところが、近年、部下からの心理的圧迫によって、上司が心を病んで欠勤となる事例が多発しています。

部下からのリジェクト

『伝えない』という陰湿な不作為もハラスメント❗️

私は、かつて常勤ベースでだいたい2,500人くらいの職員が働く職場で、数十人から数百人を従え部長職を担っていました。

部下の課長の中に、これまで知り合った誰よりも仕事のできる職員に恵まれたことがあります。

その課長は若くして管理職となり、視野が広く知識・アイディアも豊富で、出し惜しみなく組織を越えてその才能を発揮していました。すぐに部長昇格するだろうと思っていた逸材です。

部下が上司を追い詰めることも可能な現代社会
あれ? この二人、どっちが部下?

退職後も気になっていたのですが、しばらくして、その課長が人事異動先で精神症状を示し、負担軽減ポストへ職を配転され、治療を受けながら勤務していることを知りました。

原因は、部下からの執拗な情報遮断だったと聞いています。何が原因で部下から疎まれたかはわかりません。

しかし、組織人である以上、相手が上司だろうが部下だろうが同僚だろうが、組織のパフォーマンスを低下させるような感情的行動は許されないのです。

ここでタイトルに戻りましょう。

『できる組織人は痛めない』

そう、組織人は、常に他者を尊重し思いやる人権感覚を身につけて行動することが求められます。私たちは、組織人として、また現代社会を生きる文明人として、行動も感情も律する必要があるのです。

メンバーを絶対に痛めない組織人に❗️

その言い方はナイんじゃないかなー⁉️

いまも上司からのパワーハラスメントやメンバー間でのネグレクトなど、精神的な加害と被害の話題を目にすることは絶えません。加えて、部下から上司に対して行われる逆パワハラも発生しています。

これまで長い間、優越的な立場にある上司からの権威主義的な態度や命令口調が許されてきました。逆パワハラが生まれた背景には、こうして容認されてきた職場慣行があるといえるでしょう。

今日の被害者は明日の加害者となり、加害者は容易に被害者となる

そんな現代社会ですが、私たち組織人は、どのような時代にあっても、組織を維持し、総力をあげて、困難な課題に立ち向かわなければなりません。

傾聴は誰に対しても特効薬です‼️

『社会の歯車』などと揶揄されることもありますが、そうやって私たち組織人は社会を進歩させる重要な役割を担っています。

上司であれ部下であれ同僚であれ、組織内での優越的立場を背景に、相手を精神的に追い詰める行為は絶対に許されません‼️

さて、今回のセミナーでは、上司、部下、同僚を問わず、人間関係から生じる組織の問題について考察しました。

組織をマネジメントする立場にある人は、理性的な言動に心がけて自ら範を示すと同時に、常にメンバー間の人間関係と一人ひとりの心理状態に注意を怠らず、時に応じて、人権意識を高める教育啓発の機会をもつようにしましょう。

あなたが、人権意識に配慮した言動に心がけ、総意と工夫によって、メンバー間にハラスメントを生まない環境を実現できれば、みんなが痛むことのない『鋼の組織』が実現するのです‼️

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