『こうやって勝つ指定管理プロポ』❻
勝利に向けた赤ペン添削指導もここまで来ました。企画提案書類の完成まであとわずかです。
初期修正のボリウム感を知っていただいた前号に続き、今回は実際の様式上で指導内容をご覧いただきます。
第七段階)たたき台から提案書完成へ
とはいえ、特定案件ゆえにどのように修正や指示指導をしたかを具体的に示せないのが辛いところ。そこで、クライアントや対象の施設がわからないよう、一部をマスキングしその一部を公表します。次の写真をご覧ください。
写真左上が職員の離職防止策、右上が施設運営の危機管理の考え方と手段、下段がオープン準備に関わる事項です。いずれもY法人には手が回っていない分野で、加筆や発想の転換を指示指導した部分です。
この3項目に関してY法人は、自治体から求められている趣旨の理解不足と作成時間の不足が原因で、記載は未成熟、文章量も少ない状況でした。どう記載して良いのかわからないようで、どこからか借りてきたような通りいっぺんの表現に終始していました。
自治体が指定した提案書類の様式順が後順位(様式ナンバー40番台)だったことも、作業が後回しとなった要因の一つです。自治体が応募者に期待するからこそ、その記入様式は存在します。様式の順が前であろうと後であろうと、絶対に軽んじてはいけません。
再び上の写真をご覧ください。手書きした修正加筆指示は自治体目線から行った指導です。この指示に沿って記載すれば高評価を得ることは間違いありません。逆に気づかなければ、致命的な見過ごしとなった分野でした。
なお、こちらから完成形の文章を用意することもできます。しかし法人の今後を考慮し、原則としてできる限り自ら執筆していただき、その後やり取りを行い完成へ向かいます。
意味のある、法人の成長につながるやり取りをじっくり行うには、データの送受信だけでは足りず、Y法人の場合、2時間程度のレクチャー時間を一度だけ設定しました。
パートナーシップ・コンサルタンツは、一方的に指導や考え方を押しつけることは、法人の成長を阻害すると考えています。意見交換を通じて、法人の方針や主張を交えて、その法人に相応しいより良い方向を探ります。
こうした経過を経て草案は原案のレベルとなり、いよいよ提出書類としての完成へ向かっていきます。