『地方ジビエ 🔄 都心ビストロ』
今日は、ジビエ活用の事例から、自治体と事業者がウィンウィンとなるパートナーシップ・コンサルタンツの支援についてご紹介します。
ジビエで官民連携って?
新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店はどこも厳しい時を迎えました。
パートナーシップ・コンサルタンツは直接に飲食店を救う役割は担っていません。
しかし、様々な苦労を重ね生き残ってきた店舗に、ジビエの産地から質の高い食材を繋ぐことによって、店舗の特色づくりに貢献し集客を促す取り組みは、私たちが進める官民連携や官民協働の一つの実践形式です。
これまでのブログとは趣が異なるため、意外に思われるかもしれませんね。今回は、私がジビエに関わった経緯を含め、ジビエがつなぐ地方と都心のお話をしたいと思います。
ジビエことはじめ
パートナーシップ・コンサルタンツが行っているのは、地方自治体イチ押しのジビエを都心のビストロなどに紹介するコーディネート(橋渡し役)です。
これは、『官民を 結び・つなぎ・活かす』というパートナーシップ・コンサルタンツが果たすべき社会的使命の一環に他なりません。
発端は、数年前のことです。ある自治体へお邪魔し、街の活動主体をいろいろご紹介いただいた際に、狩猟当事者の工房へ連れて行かれたことが始まりです。
工房にはジビエを捌く現場もあって生々しいことこの上ありません。比較的苦手な分野と思っていたところ…
関心を持ったきっかけは、訪問した先での会食の席で提供された鹿と猪が大変美味しかったこと、そして工房で紹介されたジビエハンターさんと、里へ下りて出会った皮や角を活用するクリエイターさん。そのお二人の言葉でした。
命を戴く仕事
「無駄にしないからね」
仕留めた獲物に、骨に、皮に、語りかけながら作業をします。ハンターもクリエイターも女性でした。
「自然から命をいただいて、それを無駄にすることなく活用し切る責任があると思っています」
お二人とも同じ趣旨のことをおっしゃいます。
肉が美味い、工芸品が素敵という思いを越えて、命を戴くという視点に感銘を受けました。
地方自治体がジビエとその加工品を町の魅力として都心へ供給し、それを活用した様々な店舗が都市に現れて賑わう。目の前に現実的な目標が見えてきます。
ジビエに端を発した地方と都心のウィンウィンに向けて、パートナーシップ・コンサルタンツが始動した瞬間でした。
命の宿る食材を都心へ
以来、馴染みの店舗には和洋を問わず働きかけました。知り合いのツテも頼り、ここは良さそうと思えば飛び込みで訪れます。
ランチどきに街を歩いていて割烹にフラリと立ち寄り、その野菜料理の見事さにシェフとの名刺交換を申し出て、ジビエの話で意気投合し、試供の上で仕入れが決まったそんなこともありました。
こちらの写真は、オーナーシェフのKさんが経営する会員制ワインバーです。知人からの紹介で知り合い、肉質の良さで納入が叶いました。
ご覧のとおり、調理された鹿肉が、命を現して輝いているように見えます。こうした美しさは、苛烈な食肉化現場を見ていても心に迫るものです。
山野を戴くような気分に浸りつつ、楽しくワインを側に置いて会話がはずみます。必ずと言って良いほど、ジビエに関する知識、食した経験などが披露され、私たちに幸せな食の経験を与えてくれるそんな演出の一つがジビエ料理です。
ジビエ狩猟地を抱える地方自治体を都市部へ紹介する取り組みは、この秋から関西圏への展開も始めました。
我が町のジビエを広めたい。そんなジビエの産地と出会いたい。パートナーシップ・コンサルタンツは、こうした意欲を持つ官民の出会いをコーディネートいたします。
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【Note】ジビエ:野生鳥獣肉。フランス語で、狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のこと。日本には550種類の野鳥と80種類の野獣が存在する。狩猟して良いジビエの種類は生態系を守る趣旨から法律で制限され、48種類(野鳥28種類、野獣20種類)である。農村地域で深刻な被害をもたらす野生鳥獣の被害防止対策として捕獲数が増加する中で、これを地域資源としてとらえ有効に活用する前向きな取組が各地で広がっている。(農林水産省ホームページ等から要約抜粋)