『😇続・天使の役人用語辞典📙』

前回につづき、知らなきゃ損する行政業界の専門用語解説、地方自治体との交渉で威力を発揮するにちがいない『天使の役人用語辞典』その続編です。

さっそく、いってみましょう!

公衆関係用語

行政用語で、「公衆関係」というのは真実に即した情報発信と誠実なフィードバック対応、つまり民間事業でいうカスタマー・リレーションシップのことです。公的な情報を発信する(広報や報道)だけでなく、フィードバック(広聴や意識調査)を基にして政策やサービス提供に生かします。今や全ての地方自治体が行う基本中の基本。うまく機能しているかどうかは別の話ですが…。

合意形成は民主主義の重要な手続の一つ

市民合意(シミンゴウイ):住民、要するに市であれば市民、区や町村であれば、区民、町民、村民、その多くの皆さんから自治体が了解を得ること。一般的に国家の成立要件は、❶永続的な住民、❷明確な領域、❸政府、❹外交機能と言われています。地方自治体にとっても最重要の構成要素は『市民』です。市民の賛否の分かれるような事案を有力議員へ説明するときによく使われます。《使用例》公共施設を統合するのですから、乙骨先生の地元のシミンゴウイはもちろん取りつけます!

説明会の参加者の多くは自治体の誠実な対応を見極めに来る

住民説明会(ジュウミンセツメイカイ):自治体が施設を建設したりサービスを行う際に、住民の意見を聞くために開催する事前説明の集会のこと。メリットが大きいと予想された場合は特に荒れることはないが、迷惑施設の建設や行政サービスの縮小のように、デメリットが上回ると予想される事案では、担当の管理職が反論渦巻く地域へ決死の覚悟で出かけていく。経験上、胃が痛くなる思いで30分から1時間説明し、残り時間すべてを市民との質疑応答…というよりも反論、糾弾、追及の時間にあてなければならない。《使用例》このジュウミンセツメイカイでは疑問が解消しないので2回目の開催を要求します!

市議会関係用語

市区町村には、必ず議員によって構成された市区町村議会があり、開催回数、会期など条例の定めに沿って会議が開催されます。唯一の例外は、人口規模の小さな町村でのみ可能な住民全員参加による『町村総会』。直接民主制によるこの例外を除き、必ず住民選挙によって代議員である市区町村議員が選出され、4年の任期中にさまざまな行政提出の議案や議員立法の条例などを審議し自治体の方向を決めていきます。

議会対応の上手な管理職は注目の的である

議会対応(ギカイタイオウ):議案に限らず住民に影響の大きい重要な事案を進める際に、自治体の幹部職員が市区町村議会へ事前に説明すること。地方自治体の管理職が力量を試される3大対応(住民、議会、組合)のひとつである。どれひとつとして塩対応は許されないが、特に住民代表の議員で構成される議会に対してしょっぱい対応はNGで、オヤジに累禍が及んだ場合は命取りとなる。《使用例》補助金や助成金の削減を伴うのだから、さすがのY部長もギカイタイオウが難しいな。

英国議会ほど厳しくはないのですが…

予算議会(ヨサンギカイ):次年度の自治体のパフォーマンスが歳入(収入)と歳出(支出)によって描かれた『元号◯年度⬜︎市予算議案』(要は単年度の収支計画書)を審議する最重要の議会のこと。ほとんどの市区町村で年度末の3月に終了し、即4月から確定した予算が執行される。市区町村議会で議決されなければ予算は概念上存在せず、新年度の多くの債務に対応できなくなる。これまで、否決される予算議案はほぼ100%ないと言われてきたが、首長や議員をめぐる政治勢力図の流動化で、最近は否決のケースも増えた。予算議会で認められなかった場合は、首長が再議権を行使することもある。市民サービスの低下を招かないよう暫定予算が組まれこともある。《使用例》新年度予算がヨサンギカイを通らなかったら、当分あの改修工事は延期だな。

さらにつづく…

今回は、自治体にとって最重要な住民と議会に関係する業界用語を紹介しました。

自らの仕事を振り返りつつ、わかりやすく自治体の視点から用語を解説&考察するこの作業、実はけっこう好きです。

まだまだ民間事業者の皆さんにご紹介したい業界用語はありますが、次回で『天使の役人用語辞典』はいったん最終回とします。締めくくりは、計画行政などについて解説していきます。

今月末アップを予定。ご期待ください‼️

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