『今さら聞けない…本当の官民協働って?』

今日は、前回の『契約の獲得』という成果が目に見える話題とは離れて、『官民の協働』という少しつかみどころのない話をしたいと思います。

官業と民業

私たちの市民生活は、官業だけでも民間事業だけでも成立し持続することはできません。

両者は時として対立関係に立っても、適切な役割分担と緊張関係のもとで目的意識を一つにし、真の『官民の協働』を実現することが、市民の最大幸福をもたらします。

ここで公園と道路を例に、少し時間を遡って考察してみましょう。

歩道上にテラス席を設けたパリ市内のカフェ

歴史的に公園や道路は、それ自体が利潤を生むインフラではないため、長く官業の独壇場でした。

しかし、公園や道路に求められる機能は時代とともに変化します。

今や市民の積極的な活動の場(公園のタイムシェア)や経済活動の場(歩道上カフェ)などの機能が期待されています。

官民連携から生まれた指定管理者制度

官業だけでは市民の欲求に応えられなくなった時、パートナーとして、これまでは官業では考えられなかった営利企業が登場します。

この補完関係を公共機関は『官民の連携』と称し、民間事業者は『官業への進出』と捉え、お互い便利に活用してきました。

特に民間事業者にとって、需要が上げ止まりを見せた停滞経済下での官業進出は、天の助けだったと思います。

ただ、根底には相変わらずの官尊民卑の思想が官民双方に垣間見えていました。

公園にも指定管理者制度が導入された

そのブレイクスルーとなったのは、平成18年度(2006年度)施行となった改正地方自治法による指定管理者制度の導入です。

全国の地方自治体は、公共施設の管理運営に、民間事業者の長所を生かして市民感覚を取り入れようと躍起になりました。

あれから15年の月日が流れました。

本当の官民協働はこれから

私は、使役の関係に過ぎず官尊民卑とも言える官民の連携関係から脱して、対等な協働関係を目指したはずのこの法改正が、今に至っても官民双方に、上手にダイナミックに活用されていない現状をたいへん残念に思っています。

指定管理者となった民間事業者側は、特にこの制度が目指す本質をより深く理解し、営利面だけでなく市民生活向上の観点から、有益な事業をもっと自治体へ提案して、法の趣旨に沿った制度の運営を働きかける必要があります。

本当の意味での『官民協働』の実現に向かって、パートナーシップ・コンサルタンツは、民間事業者様と自治体との間に立って、双方の意向を最大限実現するように活動します。

そして、民間事業者が市民生活を向上する役割を担いながら、企業価値と最大の利益を上げることに大きく貢献してまいります。

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