素敵な『霞が関文学』その2
「手練れ(てだれ)」という言葉があります。
ある分野に秀でた腕前を持つ人のことです。
「大向こうを唸らせる」という言葉があります。
すぐれた技巧で目の肥えた人々を感嘆させることを言います。
パートナーシップ・コンサルタンツは『官公庁を唸らせる文章づくりの手練れ』と言えるかもしれません。
こんなふうに心をつかもう
それでは、実際に公務員の心を動かす要請文づくりに挑戦してみましょう。
例えば、次の例文❶❷❸のような文脈で、市民が考えたとします。その時、官公庁へ要請文を提出するには、どのような文章を用意すれば良いでしょうか。Let’s Begin to study❗️
例文❶ さいきん、パリなんかで通勤や観光で流行ってて、みんな乗るようになってきた電動キックのことだけど
【霞が関文学 変換】⏩ 近年、ヨーロッパ(欧州地域)を中心として、都市部での通勤および観光を中心として活用される傾向にある『ペダル付き原動機付自転車』(以下本文において「電動キックボート」と言う。)については
例文❷ あれみたいなことって、日本の都市部で流行り出したら大迷惑でしょ。うちの周りだってえらい迷惑。
【霞が関文学 変換】⏩ 類似の世界的な傾向が我が国に与える影響は大きく、すでにここ数年、東京、大阪など都市部での利用者数が増加傾向にあり、このまま利用者が増え続ければ、極めて近い将来、一般の商業地や住宅地でも利用する人々が車道のみならず歩道にも進出し、特に歩行者に対して重大な被害を発生させる見込みが高い。
例文❸ 法律なんか待ってたら事故が起きちゃいそうだし、特に子供やお年寄りには危険、危険。だから、交通安全のメンバーみんなは、市役所が、電動キックが走るのを規制して欲しいんだ。
【霞が関文学 変換】⏩ 道路交通法の改正および関係政令や規則の整備には一定の時間を要し、早急な規制効果を期待することは難しく、このため、障害者、高齢者、乳幼児などの交通弱者が、上述した利用者状況および交通環境の変化によってもたらされる危険性に長くさらされることは明らかである。このため、交通安全〇〇の会は、本市において、独自の電動キックボード走行規制に係る条例を制定されるよう、ここに要請するものである。
忘れてはならないことですが、前回(その1)でお話ししたとおり、相手は『霞が関文学』の達人だということです!
その心をつかむには、霞が関文学のルールにそった理論性を備えつつも、要請する主体としての感情や情緒も交えた、相手の心情に届く言葉づかいと言い回しを駆使することです。
さて、今回のテーマは重要ですので、もう1回、次号もサービス掲載いたします。
最近、私たちパートナーシップ・コンサルタンツが取り組んだ、ある文化団体からの依頼を取り上げ、わかりやすく仕上げまでを解説(予定)。ご期待ください!